セビーリャで...

5月の中旬より母とスペイン人の友達3人でスペイン各地を巡る2週間の旅行をしました。マドリッドから始まり、セビーリァ、コルドバ、グラナダ、サラゴサ、ボルターニャ、そしてバルセロナです。2週間と言えども、目いっぱいのプランのせいでとても忙しい旅にしてしまいました。さぁ、その忙しいたびのせいかどうかは分かりませんが、私も初めて体験してしまったことがあるのでお話します。
日本という国は世界で一番安全な国ではないのではないかといつも感じます。いつも外国の人に言うのは、たとえばカフェでトイレに行く際に平気でバックを席に置き去りにする人が日本では普通に見られると言うこと。ここ、海外では間違ってもありえません。そんなことをしようもんなら、“どうぞ私のバックを持って行ってください。”と同じことです。だから、私も海外にいるときは、どんなに安全そうな場所でも日本でやるような行動はしないように気をつけています。運良くも、特に何かを盗まれるようなことは今までありませんでした。
さて、私たちに起こったことですが、それはバックを取られたのです、しかも車の中にいた時に!!
セビーリャに滞在中はレンタカーを借りて、そこからグラナダやコルドバに行っていました。スペインには残念ながらマニュアルカーが主流なので、オートマ限定の私は運転を断念し、ナビの役目をすることになりました。友達は知らない町での運転にはとても緊張する人で、ナビの私も地図を片手に必死に指示を出していました。
1日目の帰り、カルミナという村に帰りに寄った際にちょうどそこでお祭りをやっていたことから、少し長居をしてしまい、セビーリャには夜の12時近くになってしまいました。私も友達も夜の道にはさらに緊張し、私も電気をつけつつ、地図とにらめっこしていました。実は、カルモナの町を出る際に道を間違え、遠回りをする羽目になっていて、もう一度道を間違えないようにと私も必死でした。
さて、ようやくセビーリャ市内に入り、私も友達もホッとしていたところ、急に助手席の後ろで何か動きがありました。気づいたときにはもう遅く、2,3人の少年(?)が母の隣においてあった母のバックと友達のバックを持ち去って、バイクに乗って走り去ってしまいました。それはちょうど信号で止まっているところを狙われ、運悪くもドアのロックもされておらず、まさに一瞬の出来事でした。

とりあえず、私たちは最寄の警察に行き、状況を伝えました。そこにいた警察のなんという落ち着きよう、私たちが一生懸命説明しているにもかかわらず、聞いているんだかいないんだか、何の動きもしませんでした。とりあえず、クレジットカードだけは止めて、落ち着きを取り戻そうとしていました。なんせバックですから、パスポートに友達は免許証、とにかく大事なものがいっぱいい入っていたのです。
30分くらいたって、一人の男性が入ってきました。なんと、手に持っていのは私たちのバック、中には金物以外のものはほとんど入っていて、私たちは大喜び。何でもその男性はそれらを道のゴミ箱に捨ててあるのを見つけて、持ってきたのだとか。今思えば、なんてできた話、と思うけど、そのときはとにかくバックが戻ってきたことの喜びで、そんなことを考える暇もありませんでした。
その後、警察の人たちに一通りのことを説明し、証明書を発行してもらいました。お金やカメラ、そにかく金目の物はすべて盗まれました、総額にしたら結構いっているにもかかわらず、とにかく警察の人の態度といったら、日本では考えられないほど。夜も更けているにもかかわらず、いらないことをしゃべるしゃべる・・・。友達は犯人の顔を見たので、それを説明しているのに、似顔絵を描こうともせず、ただ聞いてるだけ。思い余った友達は犯人像が載っているファイルだけでも見たいと主張し、結局、今ここにないから明日、違う警察に行きなさいと言われました。
次の日に、その警察に言ったところ、そんな話は聞いてないと言われ、とにかく犯人像を証明したかった友達は銃を持てない住民の権利について話し始め、警察の人を納得させ、ついにそのファイルを見ることができました。写真はすべて白黒で、とても分かりずらいものでした。結局、友達も特定することができず、あきらめざるおえない始末になりました。
このブログにこの話を書いたのは、その友達がスペインの警察の状況をみんなに伝えるべきだと言うことからです。言えることは、取られてしまったら、取り戻せる可能性はゼロだということ。とられる前に、必要以上にでも、貴重品には万全の準備をして持ち歩くべきだと感じました。
残念ながら日本人はただでさえ狙われやすいから、旅行する際は、すべてを泥棒だと思うくらいに気持ちで、町を歩くようにしましょう。もちろん、いい人だって町にはいっぱいいますが、その場所に言語や文化を知らない人にとって、区別をするのは難しいから。